スルーホールの解析事例

 プリント基板のスルーホールの硫酸銅めっきで、平均電流密度を変化させた場合の電流分布の変化を調べています。カソードの電流−電位曲線は非線形のターフェル式を用いており、このため平均電流密度が変化すれば、電流分布も変化します。
 電流−電位曲線の関数形と電気伝導度を変化させれば、種々のめっきのスルーホール均一性を調べることができます。また穴径、板厚を変化させて解析することにより、均一性に対する穴径と板厚の関係を調べることができます。

●解析条件

めっき液 硫酸銅めっき液
めっき液の電気伝導度 
50S/m
銅の電気伝導度
5.9x107S/m
銅の電気化学当量
3.29x10-7kg/C
銅の密度
8900kg/m3
電流効率
1.0 
電流−電位曲線(カソード) η=0.0551+0.0909logi
電流−電位曲線(アノード) η=5.0x10-5i
スルーホール径
0.4mm
板厚
3.2mm
  η 過電圧(V)、i 電流密度(A/m2)

●平均電流密度とめっき時間

平均電流密度 
(A/dm2
めっき時間
(min)
0.7 171
1.0 120
2.0 60
3.0 40

モデル形状


解析結果

●等電位線図

遮蔽なし
平均電流密度 0.7 A/dm2
めっき時間 171min

遮蔽 0mm
平均電流密度 1.0A/dm2
めっき時間 120min

遮蔽なし
平均電流密度 2.0A/dm2
めっき時間 60mi

遮蔽 0mm
平均電流密度 3.0A/dm2
めっき時間 40min


●電流ベクトル図

遮蔽なし
平均電流密度 0.7A/dm2
 めっき時間 171min

遮蔽 0mm
平均電流密度 1.0A/dm2
 めっき時間 120min

遮蔽なし
平均電流密度 2.0A/dm2 
めっき時間 60min

遮蔽 0mm
平均電流密度 3.0A/dm2 
めっき時間 40min


●カソードの電流分布

遮蔽なし
スルホール部
遮蔽 0mm
基板表面部

●カソードの膜厚分布

遮蔽なし
スルホール部
遮蔽 0mm
基板表面部

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