ハルセル

 硫酸銅めっき(プリント基板用)のハルセル試験で、平均電流密度を変化させた場合の電流分布の変化を調べています。カソードの電流−電位曲線は非線形の ターフェル式を用いており、繰り返し計算が必要です。
 さらに、おのおのの平均電流になるように総電流も収束させる必要があり、この二重の収束を一度に行っ ています。カソード要素に属する節点に、銅の材料特性値とめっき皮膜の成長方向を指定しさらに、めっき時間を設定することにより、求めた電流密度から皮膜 の膜厚まで算出しています。合金組成計算の事例も入っていますので、非線形関係の定義方法、合金組成のデータの与え方などを参照してください。

●解析条件

めっき液 硫酸銅めっき液
めっき液の電気伝導度 
50S/m
銅の電気伝導度
5.9x107 S/m
銅の電気化学当量
3.29x10-7 kg/C
銅の密度
8900kg/m3
電流効率
1.0  
電流−電位曲線(カソード) η=0.0551+0.0909log i
電流−電位曲線(アノード) η=5.0x10-5i
  η 過電圧(V)、i 電流密度(A/m2)

●平均電流密度とめっき時間

平均電流密度(A/dm2 めっき時間(min)
0.5 28
1.0 14
2.0 7
3.0 4.6

モデル形状


解析結果

●等電位線図

平均電流密度 0.5A/dm<sup>2</sup>
平均電流密度 0.5A/dm2

平均電流密度 1A/dm<sup>2</sup>
平均電流密度 1A/dm2

平均電流密度 2A/dm<sup>2</sup>
平均電流密度 2A/dm2

平均電流密度 3A/dm<sup>2</sup>
平均電流密度 3A/dm2


●電流ベクトル図

平均電流密度 0.5A/dm<sup>2</sup>
平均電流密度 0.5A/dm2

平均電流密度 1A/dm<sup>2</sup>
平均電流密度 1A/dm2

平均電流密度 2A/dm<sup>2</sup><
平均電流密度 2A/dm2

平均電流密度 3A/dm<sup>2</sup>
平均電流密度 3A/dm2


●カソードの電流分布 膜厚分布 過電圧分布

カソードの電流分布
カソードの電流分布
カソードの膜厚分布
カソードの膜厚分布

合金析出比率

 3成分の合金めっきを行った場合に、電流密度の関数として析出比率をテーブルで持つことにより各位置での合金組成を計算した例です。

●析出比率の定義

成分1の析出比率(y)と電流密度
成分1の析出比率(y)と電流密度[A/dm2](x)
成分2の析出比率(y)と電流密度
成分2の析出比率(y)と電流密度[A/dm2](x)
成分3の析出比率= 1−(成分1+成分2)


●めっき皮膜の合金組成

平均電流密度 0.5A/dm<sup>2</sup>
平均電流密度 0.5A/dm2
平均電流密度 1A/dm<sup>2</sup>
平均電流密度 1A/dm2

平均電流密度 2A/dm<sup>2</sup><
平均電流密度 2A/dm2
平均電流密度 3A/dm<sup>2</sup>
平均電流密度 3A/dm2

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