経験と勘に頼ってきためっき技術にも新しい波が押し寄せています。表面技術がハイテクの広範な分野に応用されるようになり、その機能と信頼性を求められるようになりました。 これらの要求を満たすにはめっき技術の理論的、合理的な確立が急務となっています。 CAEソフトは、構造解析、電磁場、伝熱、流れ解析などさまざまな分野のものが多数市販されています。しかし、電解槽の解析にこれらのソフトを適用するには、境界条件の与え方ほかに問題があり困難でした。 このような背景の中で、有限要素法(FEM)による電流分布解析の技術蓄積を行い、電解槽の電流分布解析ソフト”膜厚案内人(EPPS:Electroplating Pilot System)”を開発しました。
膜厚案内人は、電解槽の電流分布を計算するソフトウエアです。電気めっきの膜厚分布の均一化や電気防食の最適設計など電気化学の広い範囲で皆様に貢献します。
独自の膜厚計算式を組込み込んだ電着塗装の膜厚分布計算は高い信頼性があります。さらに、理論に忠実な解析方法ですので、応用範囲が広がり、自動車のボディーの簡略形状を用いて電着塗装槽の全体解析も可能です。
ソフトとパソコンの高速化により、実用めっき槽の丸ごと3次元解析が短時間で可能になりました。めっき物のソリッドデータを活用できれば、メッシュ作成も容易です。自動車部品のプラスチックめっきなどの複雑形状への対応も問題ありません。
電解槽の電流分布解析では、入力パラメータに電解液の電気伝導度と分極特性があります。特に分極特性の測定は、信頼性の高いデータ取得のために習熟が必要とされます。弊社は、信頼性の高い受託解析と受託実験サービスも提供しておりますので、気楽にご相談ください。